前回のかわいい古着リメイク・の続編として、バイアステープの付け方(見返し縫い)をご紹介します。
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バイアステープの説明
まずは今回のリメイクで使用した、バイアステープの性質や種類・使用法についてご説明します。
バイアステープとは
バイアスは英語で「斜め」という意味で、布の織り目に対し斜め45°に裁った布がバイアス布です。バイアス布をテープ状に切って縫い代分や中心に折り目を入れたり、芯をいれたりして加工したのがバイアステープです。洋服や小物などの端始末やふちを挟み込んで縫うために用いられます。
バイアステープの利点
布の地の目に沿って裁断した縦地や横地の布と違う点は、伸縮自在であること。カーブや凹凸に沿いやすいので、付けるときにタックやギャザーがなどができにくく自然なラインが出せます。市販のものを使用する以外にも、気に入った柄・色の生地でオリジナルなバイアステープを作ることができます。
バイアステープの種類
バイアステープはいろんな種類がありますが、ここでは主に洋服に使われることが多い2種類をご説明します。手芸屋さんやネットショップで、いろんな柄・色・幅の種類のものが購入できます。アンティークショップでは、写真の黄色・グリーンのようなデッドストックのバイアステープを見かけることもあります。
- 両折れタイプのバイアステープ
- ふちどりタイプのバイアステープ
今回のかわいい古着リメイクで使用したのはこのタイプ。
主に衿ぐり、アームホールの見返しがわり、スカートの裾上げなどに使用します。見返し縫いの他、テープ伏せともよばれる仕様。この両折れタイプを2つ折りにして、ふちどりとして使うこともできます。表から見てバイアステープステープを見せたくない場合やスッキリ仕上げたいときに、見返しがわりとして使う見返し縫いの仕様にします。
両折れタイプと違う点は、もともと2つ折りになっているところで、布の縁を挟み込みミシンステッチで仕上げる ふちどり専用のバイアステープ。パイピングともいいます。洋服では、キルティングジャケットの衿・袖口・前立て〜裾には必ずといって良いほど、このふちどりバインダーが使われています。他にTシャツの衿グリ・袖口や赤ちゃんのスタイなど、どちらかというとカジュアルなものに多く使われていて、洋服以外でも日頃1番よく見かける仕様がこのタイプです。
毎日使うタオルハンカチやポーチ・カバンの縁などにもよく使われています。
バイアステープの付け方
- 本体とバイアステープを中表に重ねて端をそろえて、アイロンをあててからピンを打つ
- 写真はわかりやすいようにピンクの糸で手縫いしていますが、ここをミシンで縫う。
- ひっくり返してアイロンをあてる。この時 表からバイアステープが見えないように
する為に、バイアステープを本体生地より1ミリ〜2ミリ控えてアイロンをあてる。
- 2で地縫いした反対側のバイアステープの端をミシンでステッチして見返し縫いの完成。
表から見るとこのピンクの糸のところに、ミシンステッチが入った状態になります。
写真のベストは、この後ステッチの上にチュールをミシンで付けています。
バイアステープのかんたんな付け方
アームホールや衿グリなどは 最初にバイアステープの最初と終わりを縫い合わせて輪にした状態にしてから本体とピンで止めて縫っていくのが正式な方法ですが、バイアステープは伸びやすいので本体生地と縫い合わせるとき、最後にバイアステープが余ってしまって、うまくいかない場合があります。今回は、本体とバイアステープを縫い終わった後に、バイアステープの接ぎ目を手でまつり縫いするかんたんな方法をご紹介します。
- 市販のバイアステープを縫い代を折ったままの状態で斜め(縦地の目)になるように裁断するとこのようになります。
- 下になる方の縫い代を5ミリほど折ってから
- 2の上にバイアステープの最後の端を合わせて重ねる。この時、2枚の縫い代からはみ出た余分な縫い代をカットします。
- ピンクの糸のところをミシンで縫う。この時、少しバイアステープを引っ張りながら縫うと綺麗に仕上がります。最後に接ぎ部分を縫うようにすれば、バイアステープが伸びてしまっとしても、カットして端と端を揃えて縫い終わることが出来ます。
- ひっくり返してアイロンをあててバイアステープの端をミシンステッチ
- バイアステープを最初に輪にしてから、本体と縫った場合は接ぎの部分が縫い合わさっていますが、今回は隙間があいています。ここを手でまつります。
バイアステープの1番かんたんな付け方
バイアステープの接ぎ目は、縦地の目になるようにするので基本は斜めになるものですが、これからご紹介するのは、縦に直線の接ぎ目にする方法です。そもそも何故バイアステープの接ぎ目は、斜めにするのか?というと、バイアス地の布同士を縫い合わせると余分なシワが入ってしまうからです。商品として販売するのではなく、ご自分でリメイクをして楽しむ為のものだったら、今回のように、バイアステープの幅が小さくて見返し縫い始末で使用する場合、シワもよりにくく裏に隠れて見えない為、機能面の問題はないと思います。
- バイアステープの片方の縫い代を折る
- 1の上にバイアステープの最後の端を合わせて重ねる
- ピンクの糸のところをミシンで縫う
- ひっくり返してアイロンをあててバイアステープの端をミシンステッチ
- バイアステープを最初に輪にしてから、本体と縫った場合は接ぎの部分が縫い合わさっていますが、今回は隙間があいています。ここを手でまつり縫いします。
バイアステープの付け方の注意点
アイロンをあてる
行程の途中でアイロンをあてるのを忘れない。少し手間がかかりますが、アイロンを丁寧にあてることで仕上がりが綺麗になります。
バイアステープの接ぎ目と身頃の脇線をずらす
ずらさずに接ぎ目を脇線と同じ位置にすると、縫い代がかさばりゴロゴロしてしまうのでバイアステープの接ぎ目は、後身頃側に約2〜2.5センチずらします。身頃の衿グリやスカートの裾の場合は、左脇で後身頃側に同じく約2〜2.5センチずらす。
この仕様ができると、リメイクでできることが増えるので試してみてはいかがでしょう。お気に入りだったけど型が時代遅れで着れなくなったお洋服が、かわいい古着になるかもしれません。かわいい古着リメイク・バイアステープの付け方(見返し縫い)でした。
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