骨董市はお好きですか?人混みが苦手、遠いから行ったことがない、いろんな理由で骨董市未体験の方もいらっしゃるかもしれませんね。今日ご紹介する東寺弘法市、ここは全国から観光客が訪れる大きな骨董市です。緑と土にかこまれた広い東寺の境内に毎月21日 たくさんの露天が並びます。
骨董市の魅力は、その日 何時に家を出て、広い境内のどの道をえらび、どのお店に入って‥その日 朝からの1つずつの選択が重なって、今ここでしか出会えないものに出会うことができるところです。私の大好きなアンティーク古着や西欧の骨董はありませんが、ここには日本でしか手に入らないアンティーク着物があります。それは、昔 令嬢が着ていたような豪華絢爛な着物ではないけれど、その面影を残した華やかな縮緬の切れ端や、銘仙や絣といった庶民が着ていた可愛い柄の着物や羽織、それに日本刺繍が施された帯や着物雑貨‥そんなものに出会えることは今でもあります。もし京都に来られる機会があれば、1度京都・東寺弘法市をのぞいてみませんか?
写真が多いので、京都・東寺弘法市の記事は2回にわけます。今日は主に東寺弘法市についての説明や私の経験からまとめた注意点などを‥。次回は京都・東寺弘法市 アンティーク着物編をお伝えします。(1枚目、2枚目の黒い名古屋帯の写真は、前に東寺弘法市で購入したもの)
京都・東寺弘法市・弘法さん(こうぼう)
東寺は794年に建立された弘法大師空海が、真言密教の信仰を集め 勢力を伸ばした拠点で1994年に世遺遺産として登録されました。弘法大師空海の命日である3月21日に、東寺の御影堂で行われる御影供(みえいく)の参拝者を目当てにお茶屋さん、お団子、日用品などの露天が出るようになったのが、東寺弘法市の始まりで、かつては年1回だったのが1239年以降毎月開催されるようになりました。それから700年以上の歳月を経て 今は、毎月21日 「弘法市」として国内外から毎月約20万人の観光客が訪れる京都屈指の市となり、親しみをこめて「弘法さん」と呼ばれています。
» 東寺
南大門から入って正面に見える東寺の本堂となる金銅(国宝)
京都・東寺弘法市へのアクセス
- 京都駅より徒歩15分 あるいは市バス16系統「東寺東門前」徒歩 1分
- 近鉄京都線「東寺」駅より 徒歩 5分
- JR・近鉄「京都」駅より 徒歩 18分
私は近鉄「京都」駅から歩いたことはありませんが、JR「京都」駅からは2度歩いた経験があります。それは、その道中に まだ雑誌で紹介されたことがない魅力溢れるお店がないかを確かめたかったからです。結果は、ただ東寺を目指してアスファルトの道を歩いて余分な体力を使った記憶だけが残っています。JR「京都」駅から近鉄線に乗り換えて1駅で「東寺」に着くので そちらをおすすめします。
京都・東寺弘法市の開催情報
- 開催日 毎月21日
雨天決行ですが、出店数は少なくなります。 - 出店数 およそ1,000〜1,300店と言われています。
- 時間 朝8時頃〜16時頃
開店・閉店時間は季節や天候、出店者によって変化します。
時間帯にもよりますが、このように人通りが少ないエリアもあります。いつも食べ物屋さんが並ぶ通りは、1番混雑しています。道幅が狭い通りで、人々がものから食への思考の切り替えをしながら、何を食べるか決断するのに時間がかかるからだと思う。私はこの切り替えがうまく出来ないため、今まで1度も東寺弘法市の境内で何かを食べたことがありません。なので食についての項目はありません。
京都・東寺弘法市の特徴
主な商品は、骨董・陶器・アンティーク着物・食べ物さんの屋台・食材・日用品植木他にも金物・工具・木製品などいろいろなお店があります。関西では、他にも毎月定期的にお寺や神社で開催される大きな市がありますが東寺弘法市のお店の特徴は、和の骨董、アンティーク着物・食べ物さんの屋台・食材が多いところ。境内で開催される同じ規模の四天王寺骨董市では可愛い昭和雑貨他、若い人が好きそうなお店があるのに比べ、東寺弘法市ではそれよりも渋い和の香りのする大人っぽい骨董市で比較的 年齢層が高く、それと京都駅に近い立地からか外国人の観光客が多い印象があります。大きなビクター犬は、この店をずっと守ると決めているかのようにいつもここにいます。
焼きものいっぱい この世界のことは、わからないけど とても奥が深そうですね。
いつも わたくしは、背筋をのばし正座でお客様をお迎えします。骨董商の女主人 ヨークシャテリア
右端の縄のようなリード、中央上の太い首輪、日本犬に似合いそう‥。犬をこよなく愛する私は、このお店を素通りすることができなくて‥手に取り、サイズの調節・リードの太さ・重さ・首輪の付け心地(想像)あらゆる〈感じ〉を確かめて「もしも、大きな日本犬を飼ったらこんなのが必要なんだ」と納得するまで動けなくなりました。(飼う予定はありません)のこぎりや金槌を買うなど何らかの目的があって、ここにきた人ばかりの中で、買う目的がなくそこにいたのは私だけだったけど、このように説明や詮索をされることもなく 自由に見せてもらえるお店が多いところも市の魅力の1つです。
いろんな色の革 まだ革で何かを作ったことはないけど、ここに来ればいろんな色の中から好きなものを選べるのだと知ると安心できます。安心は人の心を緩めるので、可能性も広がる。なので、これで いつでも好きなときに革を使って何かを作ることができるわけだけど安心が、創作意欲を増大することはしないから 革による創作世界の可能性を広げるか否かは自分次第だということになる。何の世界でも同じなのね‥。
日本人が、ヨーロッパのマルシェを見ると写真を撮りたくなる感覚と同じなのか、外国人の方が、色とりどりの野菜や果物が並ぶ通りやたい焼き・たこ焼き・お団子のお店の前で写真を撮っていらっしゃる光景をよく見ました。このお店の前でお団子を手にした外国人から「カメラオネガイシマス」と依頼を受けたので、こちらから立ち位置とポーズの指示を出し 無事に任務を果たし小さな達成感に浸っていると、その後も2組のグループから依頼を受け撮影することになりました。私が、よほど暇そうに見えたのでしょう。どの国の方も皆さんハイテンションで、シャッターを押すだけでハイタッチを交わす‥東寺弘法市の中でその空間だけは、ビーチバレーのコート内のようになりました。食べながら歩くという非日常的な行為は、旅の高揚感を高めるのですね。
ここから下に続く4枚の写真は、東寺弘法市境内ではなく門外の露店。これ以外にも、たくさんお店が並んでいました。
↓台の右端の大きな蓋付きガラス瓶ていうの?花瓶にしたら素敵そう。
骨董というほどは古くない、このような昭和雑貨のお店は四天王寺の方が数が多い。箱やガラスケースの中にも、小さなものがいろいろ入っているので気がぬけません。
それいゆ ひまわり他 中原淳一氏の本がいっぱい。どろぼうのイメージが強い唐草模様の風呂敷の用途は何でしょう。お店のディスプレイ?
そこにいる全ての人の目と耳に やさしく響いていた風鈴
風が吹くと皆 同じように首をかしげながら同じ方を向き 短冊を揺らして‥それは、ついこのあいだ見た チューリップ畑の風景に似ていました。
京都・東寺弘法市の注意点
京都・東寺弘法市の注意点・持ちもの編
- 靴
見渡すことができないほどに広い東寺弘法市の境内には、砂利が敷かれているので、
歩きやすい&砂埃にまみれても気にならない靴が必須 - 鞄
靴の注意点の中でも触れましたが、東寺弘法市の境内には、砂利が敷かれているのでキャ
スター付きのコロコロは適しません。お店で買い物したら紙袋や白いビニール袋に入れて
くれますが、エコバックがあるとやはり安心です。私は、3つのビニール袋を持つ人より、
1まとめにしたエコバックを持っている人を見る方がホッとする。 - 紫外線対策グッズ
日傘を広げるのをためらうほど人混みが激しい東寺弘法市の境内。帽子も準備していく
と良いでしょう。 - エアーシート(プチプチ)
お店の人が割れ物を買った時に包んでくれる、透明のプチプチシート。
焼き物・壷・ガラス製品を買った場合、これがあると安心です。私は海外にいく時、
必ずスーツケースに入れていきます。たとえ使わなくても一緒に旅をしてきたと思えば
良いのです。
京都・東寺弘法市の注意点・行動編
- 時間配分
すべて見てまわるには、少なくとも2時間、じっくり見て回るには半日以上かかります。同行者がいて目的のジャンルが違う場合は、別行動するのも良いかもしれません。「◯時にあの頭の良さそうな木の下でね」って。広い境内をいろんな露天を歩きながら見るのは楽しいけれど、とても体力を消耗します。視覚から入った情報を脳が解析・判断して購入に至るには、想像以上にカロリーを消費しているのかもしれません。だから買い物の途中に家から持参したチョコを食べたり、買い物後にケーキやアイスを食べたくなるのでしょう。この後どこかでお茶をする時間も予定に入れておいた方が良いかもしれません。 - ランチ
東寺周辺は、ランチをとれるお店が少ないエリアです。現時点でおしゃれなカフェを発見したこともありません。東寺弘法市で、ランチをするのなら京都駅でお弁当を買ってくるか、東寺弘法市内の露店で軽食をとる選択になります。 - お気に入りのお店
毎月、同じ位置に出店する業者がほとんどですが、季節・曜日・天候によって店の数や顔ぶれは変わります。お気に入りのお店ができたら店主さんに、営業スタイルをたずねておきましょう。特に雨に対しての姿勢や行動は、人それぞれなので計り知れません。たとえまだ14時過ぎであっても、少し曇ってきた程度で商品を片付け始める 雨が大嫌いな店主さんもいらっしゃいます。こちらがまだ見る意欲が高まったままの状態のときなどは、まだ一緒にいたい大切な人に「じゃあ」と告げられたような寂しさを感じることもあるかもしれません。大好きなお店ができたら、雨に対する店主さんの考え方も聞いておくとよいでしょう。
京都・東寺弘法市の魅力、皆さんに少しはお伝えできたでしょうか。いつか京都を訪れたとき行ってみようか もし そんな風に感じていただけたとしたら嬉しいです。ものがあるだけでは、幸福で充ちたりているとはいえない。そんな あたりまえのことをお線香の香り・緑の葉っぱの1枚1枚がこすれ合う音・オレンジの着物を身にまとったお坊さんの行列・東寺全体の空間が丸ごと包み込んでくれながら あらためて教えてくれます。機会があれば、その声を感じながらお買い物を楽しめる京都・東寺弘法市に行ってみませんか。
↑私の好きな寛大そうな木 次回は東寺弘法市 着物編です。
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