アンティーク・妖精ブローチ

2014年05月04日

ここからだと ちょっと遠いかもしれない。
アンティーク妖精ブローチ
妖精はすみれの花の茂みの中で 杖を振る真似をしながらつぶやきました。森の女神からことづけられたプレゼントを 人間に届けるために もう3日もそこで考えているのです。

妖精ブローチ
仲の良い蕾は 妖精が早く仕事を終わらせて 一緒に遊べることを期待していたので「そんな、かんたんなこと さっさと終わらせちゃえば良いのに」と思っていましたが、「魔法の杖を振って プレゼントを人間に命中させれば良いのよね」乙女コードの言葉をえらびました。「いつも すみれの花らしくいなさい」ずっと小さなときからそう教えられてきたので、蕾は自然にすみれの乙女コードを守るのです。
すみれ
妖精は 蕾が早く遊びたがっているのがわかっていたので、自分がずっと考えていることを打ち明けてみることにしました。自分は 届けるシーンもプレゼントの1部だと思っていてどんな風にするのが1番ステキなのかを考えているのだと‥「わたし 妖精らしくファンタジーで自然な届け方がしたいんだ」
妖精ブローチ
すると、わかる わかる 話を聞いていた 他のすみれの花達や蕾も皆、首を縦にブンブン振りながら「私も手伝う」そう言ってくれたので、妖精は嬉しくなりました。それに、1番大きなすみれの花が他の植物にも妖精の話をしてくれたので 皆が応援してくれます。もうあとは 人間がまた家から出てくるのを待つだけです。安心した妖精は、人間を待つ間 蕾とふざけあって遊んだり、花に蜜をわけてもらったりしながら過ごしていました。
木
しばらくすると 人間がでてきたよ!1番大きなすみれの声がしたので 皆おしゃべりや昼寝をやめて自分たちの役に入りました。すみれや他の植物達は、妖精が人間に近寄っても姿が見えにくいように できるだけ背伸びをして、小さな足が置かれた葉っぱ達は、順番に体をおこして 妖精が早く歩けるように応援します。
花
小さな花達は妖精がつかまって歩きやすいように自分達が順番に手すりになってあげます。皆 自分たちができる方法で、妖精をサポートしました。
花
れんげの蜜を吸っていた みつばちも、食事を中断して人間のまわりを飛んでみました。ちょっと そうしてみたかったのです。
みつばち
そうやって、ぎりぎりのところまで人間に近付いた妖精はずっと練習してきた通りの、妖精らしくて美しいフォームで魔法の杖を思いきって振り上げました。すると大きな風が吹いて 杖の先から離れたプレゼントは1番背の高い木の上まで吹き上がったと思うと てっぺんの葉っぱの先だけをかするような音をさせて、そこからいっきに大きな弧を描きながら 空と葉っぱの色が混ざり合った風といっしょに人間のスカートの中に消えていきました。
空
アンティークブローチ
アンティークブローチ
アンティークブローチ
アンティークブローチ
風がやみ 一部始終を見守っていたすみれや他の植物達も5秒くらい黙ったまま、静かに余韻に浸っていました。それは たとえば ライブで美しい音楽を聞いた時なんかに感動のあまりしばらく拍手することも忘れてしまったような感じと似ています。
植物
「やったーできたー!」最初に言葉を発したのは妖精でした。とっさに口から出た声が、自分の耳にもちょっと子供っぽすぎたのが気になったけど、妖精は嬉しくて嬉しくて誇らしい気持ちでいっぱいでした。その声が合図のように、すみれも他の植物達も体をのばしたり折りたたんだりしながら全身を使って喜びました。こうやって無事に森の女神からのプレゼントは、人間に届けることができました。
みつばち
妖精っぽく自然な届け方で
» Robe vierge 妖精ブローチのページはこちら